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【おすすめ銘柄②】ジーテクト(5970)

おすすめ銘柄の第2回!

今回はジーテクト(5970)をご紹介します。

ジーテクトはホンダ系の自動車骨格部品メーカーで、車体の開発提案力と生産技術力を武器に、自動車産業における燃費や衝突安全性の向上を支えるグローバル企業です。

直近の業績

株探:業績推移

上記の通り、2024年2月2日に発表した3Q決算でも素晴らしい数字を出しています。

・第3四半期累計(4-12)の連結経常利益は前年同期比17.1%増

・通期の連結経常利益を11.7%上方修正、増益率は1.5%→13.4%増に拡大

・年間配当を従来計画の65円→66円に増額修正(前期は58円)

・10-12月期(3Q)の連結経常利益は前年同期比2.6倍に拡大

・売上営業利益率は前年同期の3.7%→5.9%に改善

売上、利益ともに申し分ない発表でした。

それでは業績好調の要因を分析してみましょう。

まずは半導体不足が解消に向かっていることから自動車生産、販売台数の増加が挙げられますね。

そこに加えて現状の円安です。

利益に跳ね返りやすい状況であることも事実でしょう。

◎業績好調要因

・半導体供給混乱からの脱却により自動車生産、販売台数の増加

・中国以外の地域におけるグローバル受注生産台数の増加

・円安影響

一方で、自動車業界全体における懸念点も存在します。

次に今後の業界における懸念点についてみてみましょう。

国内自動車メーカー、最大の懸念は世界的なEV化ですね。

トヨタをはじめ、EVシフトを加速しているものの、特にソフト面で大きく差を開けられているのが実情です。

そして混沌とした世界情勢

自動車業界に限った話ではありませんが、常に国外にも目を向けておく必要があります。

◎自動車業界における懸念

・中国、欧州のEV化加速により先行き不透明な状況が続く

・中東情勢の緊迫化による物流網の混乱リスク

・中国における販売台数の減少(営業利益前期比△70.7%)

ジーテクト(5970)にまつわる今後の予想

それでは、ジーテクト単体で見た場合の今後について考えてみましょう。

■自動車産業の成長期待度

まずは業界全体の生産台数に着目してみます。

自動車産業の台数成長はおおよそ2030年頃を目処に終わると言われています。

2026年以降、世界全体の自動車販売台数は9,600万台程度で頭打ちとなり、その後緩やかなマイナス成長とあります。

つまり、反対に言えば目先1〜2年は世界全体で見れば台数成長が続き、その後も数年は横ばいが続くということです。

中期的な投資先としては魅力的な銘柄でしょう。

■事業別売上高

次に事業別の売上についてです。

下記表の通り、全体の91.2%を車体部品が占めており、中核事業となっています。

また、構成比で見れば3.0%ではありますがEV関連の売上高も前期比では176.6%増と拡大傾向にあります。

反面、車種開発では型・設備販売を中心に前期比で約半減となっています。

■地域セグメント別業績

続いて地域セグメント別の業績を見てみましょう。

国内においては売上高がほぼ横ばいにも関わらず、営業利益がほぼ倍増しています。

営業利益の改善要因としては量産売上の増加や生産現場の経費節減効果となっています。

北米についても大幅な営業利益の改善となっており、決算説明資料では「車種構成の変化に伴う付加価値の増加」とあります。

当然、そのような企業努力の部分も大きいと思いますが、やはり円安影響もあるでしょう。

■ジーテクト(5970)の株価予想

ジーテクトの株価は現在、2,018円となっています。(2024年2月9日現在)

そして注目すべきは割安感でしょう。

時価総額887億円、自己資本比率57.1%、主要取引先にホンダは勿論のことながら、トヨタやSUBARUといった大手企業が並ぶ中、PER8.1倍、PBR 0.48倍と非常に割安感があります。

東証が躍起になっているPBR1倍割れ企業に対する改善要請も避けては通れませんので、今後の対策にも注目が集まる可能性があります。

DOE(株主資本配当率)も2024年3月期末の1.94%から、2031年3月期末には3.0%まで改善する目標を掲げています。

昨今、株式市場全体の株価推移を見ていると、従来よりもさらに配当金への注目度が高まっているように感じます。

配当率の引き上げは株価へ良い影響を及ぼすと同時に、前段でお示しした通り2030年頃までは自動車産業の生産台数は増加から横ばいとなっていますので、この先5年程度は上昇曲線を描く銘柄であると判断します。

株式市場にはトレンドがありますので、トレンド転換により自動車業界も例外なく軟調な展開が続く時期は必ずあります。

その中でも、日々のチャートに一喜一憂せず、自分自身で銘柄分析をする力をつけながら相場に立ち向かいましょう!

前回:【おすすめ銘柄①】システムリサーチ(3771)はこちら